3号着建造計画 第1次中間報告

【計画概要】
・アスカ、シンジに続く3体目の着ぐるみを制作する。
・初の衣装完全自作を盛り込む。
・10月の後楽園ハロウィンフェスタ合わせ完成を目標とする。

作業内容 備 考
’00.05.04
 素材屋龍之介さんの素材屋フェア終了後、渋谷の東急ハンズに寄り、面の原材料としてマネキントルソとインダストリアルクレイ2個を購入。
 今日はこれで1日が充実した気分になったため作業なし。

<学生時代、参考書を買っただけで勉強が出来たような感覚になるのと同じですね。

インダストリアルクレイ
 工業モデル用の粘土。常温では固いが、高温(風呂の温度くらい)になると柔らかくなる。
 通常の油粘土では表面をツルツルに仕上げるのが難しいこと、面ほどの大きさになると粘土自体の自重で変形してしまうため、私はこれを使用しました。
(アルテH ’00年頃は¥1300円:通常、面原型1つ作るのに、2.5〜3個程度使用。現在はもっと価格高いです)

 マネキントルソ
 発泡スチロールの首から上の顔型。写真は目鼻口つきのものだが、ペプシマンのようなのっぺらぼうタイプもあります。どちらを選んでも造形上差は無いです。このサイズで面を作っては小さすぎてかぶれませんので、この後書くように盛り上げをしてしまいますので。
(マネキントルソ ¥950円)
 トルソはあくまで粘土造りの土台なので、コレを買わなくても自前で大きな発泡スチロールを削りだして頭の形に作り出すのも良いでしょう。また、発泡スチロールは粘土が付着しにくいので、スチロール以外の土台を用意し、その表面に人間の顔の輪郭の金網を方取る手法をする方もいます。

注)ここでの価格は全て購入時の値段です。
’07.1注釈) インダストリアルクレイについては、こちらも参考にして下さい。
’00.5.26
 仕事の忙しさとHP拡充作業に追われ、気が付けば、はや5月も下旬。愕然としつつ実作業に入る。
 先のシンジ面で使ったインダストリアルクレイが半分ほど残っていたので、まずこれから使う。小型の電気ストーブでインダストリアルクレイを加熱して柔らかくし、マネキントルソに盛りつけていく。以前はドライヤーで加熱していたが、効率が悪かった。


 粘土盛りつけ作業30分ほどで疲れたため、本日の作業終了。粘土をあまり加熱しすぎるとマネキントルソの発泡スチロールが溶けてしまう。このため、粘土の温度をあまり上げないようにするが、そうすると粘土の柔らかさが足りなくなるため、粘土の整形にかなりの握力・腕力がいるため疲れる。・・・以上を理由に怠ける。

<予定では5月中に原型製造作業を大体終わらせる予定でいたので、大ショック。

 柔らかくなったインダストリアルクレイを切り出すのはバターナイフが良いです。切れ易さで粘土の柔らかさ(=熱さ)が分かるのと、金属製なのでまとわりついた粘土も比較的簡単にこそげ落とせます。
 加熱しすぎた粘土を直接手にして何度ヤケドしたことか(^^;)特にこの粘土、柔らかいときは手にベチャベチャまとわりついて離れなくなるので更にヤケドが重傷になりやすいです。
 バターナイフで切り取った粘土をトルソにこすりつけ、後は指で押しならしていきます。

 マネキントルソの台座中央に矢印で黒線を入れていますが、これは正面方向を明示するため。
 単色の粘土を盛りつけていくと位置が掴みずらくなり、また利き腕とその反対の腕の力の違いで正面向きがずれてきて、目鼻が左右に振れてしまうことがあります。このため座標を最初に決めています。

 大きな面を作る場合、粘土の量が著しく増えます。そうした場合、トルソに、まず布きれ・荒ヒモを巻いて嵩上げをすると粘土作業を減らすことが出来ます。
 ただし、整形中にサイズを小さくしたくなり、粘土を削っていこうとしたところ、荒ヒモや布きれが出てきた場合、これらの除去作業に大変な手間暇がかかるので、大きさ見積もりは慎重に行いたいですね。特に美人顔を作る場合は、アゴのラインをすっきりさせたいので、ヒモをアゴから縦方向に巻き付けると後々困ることになります。・・・アスカのとき泣きました、私。

 また、布・ヒモは発泡スチロールより粘土の食らいつきが多少悪いので、この場合、加熱温度を高めてやると良いです(ヤケドはしやすくなるけど・・・・)。
’00.5.28
 データ収集と題して、本屋、古本屋をまわり、小狼の絵を探す。ネットで検索してもなかなか「これだ!」という絵が見つからない。
 しかし、ある程度予想はしていたとはいえ、ほとんどサンプルが見つからない。
 目的未達のまま収集作業終了。来週の週末は遠出して探してみよう。
 2次元のアニメキャラを3次元化するのは大変に難しいです。2次元ではうまく誤魔化している部分が3次元ではモロに出てしまいますからね。
 それ以前に3次元に起こすこと自体が難しいですね。このため、私はいろんな絵(出来れば絵が着ての違う絵や、顔を様々な向きで見た絵)をいくつも見て、それらを頭の中で重ねてイメージしてみます。そうすると・・・ほら、立体的な顔の形がなんとなく分かってくるでしょう?
’00.5.29
 再び粘土盛りつけ作業実施。トルソ全面に粘土の盛りつけを完了した。
 シンジ面原型(石膏型取り後のままなので多少崩れています)と比較する。
 うーん。道は遠い(本日1時間の作業)。

 旧原型を取り崩して、インダストリアルクレイを再利用することも十分可能です。ただし、比較サンプルを見ながらの作業は楽なので(*)、初代シンジ面原型(右)は壊さず残しています。

(*)
 面を作る上で難しいPointの一つが目の位置(あごの位置を起点にした目の高さ)。
 単にキャラの顔付きに似せるだけじゃダメで、自分の目の位置と面の目の位置が一致していないと、面の目から視界を確保することが出来なくなります。
 ところが、アニメキャラの目の位置と実際の人間の目の位置は、全く違う場合が多いのです。
 キャラと同じ顔にすると視界が確保できなくなり、逆はキャラから顔付きが遠のいていきます。この辺にどう妥協を付けるかが大きな問題です。わざわざシンジ原型と比較しようとしたのは、この辺の妥協ポイントの見極めにしようという魂胆です。

 キャラの顔付きをある程度犠牲にしても、どうしても視界の確保が出来ない場合は、
1)面全体を大きくしてあごから目の距離を相対的に離す。
 (勿論この場合、面をかぶったときの等身バランスが崩れますので、ほどほどに)
2)眉毛の上側か下側にスリットを入れて視界を確保。
 今回、小狼はこの2)を採用しています。

 以上、5月分作業報告。
 第2次中間報告へ